Thursday, February 21, 2013

男ならこの戦い,負けられぬ……。「放課後ライトノベル」第109回は『彼女たちのメシがマズい100の理由』

 9月も中盤に入り,気づけばすっかり秋めいてきた。秋といえば読書の秋,そして食欲の秋ということで,今回は料理を扱った作品を紹介したいと思っていたのだが,料理を扱ったライトノベルって意外と少ないのである。  漫画の世界では,少年誌から青年誌に至るまで,さまざまな雑誌に1つや2つは連載されており,aion RMT,中にはスシ専門やカレー専門の料理漫画まであるぐらいだ。それなのに,ライトノベルでは,なぜあまり姿を見ないのか?  大きな理由としては,絵を一枚どーんと見せるだけで説得力を出せる漫画に比べ,文章だけでおいしさを表現するのが難しいということがあるだろう。とは言え,食事はあらゆる生活における最重要事項。もっとおいしそうな料理が登場するライトノベルがあってもいいのではないだろうか。  そんなことを考えていたら,アラド戦記 RMT,第17回スニーカー大賞で優秀賞を受賞した作品が料理を扱っているではないか! というわけで,今回の「」で紹介するのは食欲の秋にピッタリの作品,『彼女たちのメシがマズい100の理由』だ……って,あれ,あんまりピッタリじゃない気がしてきた。 『彼女たちのメシがマズい100の理由』 著者:高野小鹿 イラストレーター:たいしょう田中 出版社/レーベル:角川書店/角川スニーカー文庫 価格:600円(税込) ISBN:978-4-04-100497-5-C0193 ●一見,おいしそうな美少女たちとの共同生活だが……?  両親のイギリスへの海外赴任が決まったことで,いきなり独り暮らしを余儀なくされた愛内葉介(あいうちようすけ)。最初のうちこそ,家族がいない生活の解放感を満喫していたものの,これまでろくに家事をしたことがない高校2年生男子にとって,突然の単身生活は荷が重かった。うまく行かないことばかりで生活は2週間めで早くも破綻寸前。そんな事態を救ってくれたのが,彼の幼馴染みである香神紅緒(かがみべにお)だった。  整った外見に加えて,淑やかな性格。学校内では成績優秀で,友人たちからの信頼も厚い。幼馴染みの葉介に対しては大変面倒見が良く,炊事洗濯掃除から家計のやりくりまで,嫌な顔一つせず率先して行ってくれる,パーフェクト幼馴染みだ。ただ,そんな完璧超人である彼女にも,たった一つだけ意外な弱点があった。  そう,料理が致命的にマズいのである!  しかし,そこまで尽くしてくれる幼馴染みに対して,お前の料理はマズいから食えないと言うほど,葉介はヒドい男ではない
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